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飢えたライオンのsasaのレビュー・感想・評価

飢えたライオン(2017年製作の映画)
3.5
連続するぶつ切りのカットが印象的。
放り込まれた生肉に喰らいつく飢えたライオンのように少女を消費する。それは男性による性的搾取を意味するだけでなく、同級生、マスコミ、学校までもが、女子高生というカテゴリや短いスカートというアイコンだけで彼女を説明し片付けようとすることでもある。
校長のおざなりな演説や、嬉々としてアイドルのスキャンダルを報じるメディアなど、"ライオン"がそこらじゅうにいるという劇烈な皮肉をさりげなく挟んでいる。

ラストの意図が分かりかねるのだが……これは全て演技でした、このような映像に釣られて観ている画面の前の貴方も飢えたライオンなのでは、と訴えているのだろうか。
何にせよ、リアリティと生々しさを追求したこの作品においてメタ視点は蛇足。
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