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飢えたライオンのmarutabatsuoのレビュー・感想・評価

飢えたライオン(2017年製作の映画)
4.3
大人たちの振る舞いへの怒りと救いようがないリアリティーに心底むかつき吐きそうになった。 SNS上でのデマをきっかけに自殺へと追い込まれる女子高生。彼女に災厄が降りかかったのはほんの偶然に過ぎず、まさに誰にでも起こるリアルにいらつく。

母親、妹、先輩、彼氏。すべての人にわかってもらえないと、すっと命を絶った後、さらに描写は続く。定型句で追悼気分になる教師、ネタとして消化する人々、マスコミのから騒ぎ。すべてにムカついた終幕、見ている側が映画へ感情をぶつけて溜飲を下げようとしていることにグサリ。

一部を除いて悪意のない醜悪を詰め込んだ作品なのに、マスコミの描き方があまりにも類型的。後半の重要パートのあそこでパターン化した悪が見えるのは残念だった。 しかし、今年屈指の必見鬱々映画には変わりない

いろいろと何か意味があるであろう不思議なカットがけっこうあったので、もう一度見たい。夜上映のみだし厳しいかなあ