Inagaquilala

ドルフィン・マン~ジャック・マイヨール、蒼く深い海へのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

3.6
「グラン・ブルー」(リュック・ベッソン監督)のモデルとなったフリーダイビングのマイスター、ジャック・マイヨールのドキュメンタリー。1976年に、人類史上初となる素潜り水深100メートルを記録した世界的なダイバーが、晩年、日本の佐賀県唐津を何度も訪れ、その海を愛していたことは、「ブルーシンフォニー ジャック・マイヨールの愛した海」(2009年)というドキュメンタリーで描かれていたが、その作品では、その理由として、彼が幼少期、住んでいた上海から唐津にやってきて、そこで見た海女の素潜りを見たことが、のちのフリーダイビングにつながっていくことを明らかにしている。

その他、禅寺での精神修養など、日本との繋がりのなかで、彼のダイバーとしての人生が描かれていく。とくに彼のまわりでサポートしていた日本の人たちの証言が貴重だ。「グラン・ブルー」でジャック・マイヨールの役を演じたジャン=マルク・バールがナレーションを担当しおり、この名作との関わりも描かれている。「グラン・ブルー」を名作として心に刻んでいる人間にとっては、とても興味深い作品になっている。ジャック・マイヨールがとても身近な存在として感じられるヒューマンドキュメンタリー。
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