くう

シリアにてのくうのレビュー・感想・評価

シリアにて(2017年製作の映画)
3.8
内戦続くシリアにて。シリアの首都ダマスカスのアパートの一室。そこのみが舞台として描かれる。

主人公はこの家の女主人。「夫」は不在であり、どういう立場の人間かはよく分からない。

戦争の悲惨さはアパートの外で鳴り響く激しい銃声やミサイル音で伝わり、この人たちがなぜ避難しないのか(家が大事だからということは分かる)、逃げた先には生きていく道があるのか、それすらも分からない。

分かるのは、つまり、ここにいる女・子供・老人は「戦争と無関係」ということ。

家の外で起きている戦争、怯える民間人、搾取される女、部屋の一室のみでそれが伝わる構成が凄い。

戦争ものだが銃弾を避けるために逃げる話ではなく「一室の中で起こるある秘密」が主題。苦々しい名作。