kirito

ライフ・アンド・ナッシング・モアのkiritoのレビュー・感想・評価

3.8
【それでも生きていく】

父が服役中で、離婚した母と妹と一緒に住んでいる14歳の少年アンドリューに焦点を当てた物語。

アメリカの社会はまだまだ黒人に対する扱いが酷かったり、偏見の目があることを感じさせる部分もあり、社会の闇をみた。

負のスパイラルは繰り返すというが、彼自身も車上荒らしで保護観察の処分を受けている。
それでも懸命に生きようとするアンドリューの姿には色々考えさせられる。

14歳という多感な時期に母が再婚しようとすることに憤ったり、周りにお手本となる男の大人がいなかったり、『何か』に対して怒りをぶつけたい、ぶつけなければ自分がなくなってしまうのではないか、その辺りの思春期特有の行動が読み取れた。

この母は確かに子供のことを考えてると思う、確かに無責任な部分もあるが、最後の行動を取ってみても一番悩んでいるのは彼女なのかもしれない。

時として何かに抗えないことはある。
けれども人生は続いていく。
これからのかれの成長を期待する。

2017.10.28
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