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レインボウのnのネタバレレビュー・内容・結末

レインボウ(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

レインボウって何なんだよ…いつものとんちんかんダメ邦題か…と思っていたけど、大変失礼いたしました。亡霊の呻き声のように霧の中から聞こえてくる「オーバー・ザ・レインボウ」、なかなかに背筋の寒くなるような演出で素敵だった。
怖いといえば、襲撃を受けて一家皆殺しにされた農家で小さな女の子が一人起き上がって水を飲む場面が不気味で恐ろしいのは言わずもがな、無人になったフルヴィアの別荘も幽霊屋敷のように見えたし、最後その別荘にファシスト部隊がぞろぞろと押し寄せた図も文字通りの「黒ゴキブリ」感が実におぞましく、つまりは全体的にホラーっぽい手ざわりの映画で、そこが面白かったなと思う。いかにも未完のまま放り出したような終わり方も良い(原作の狂気に振り切ったラストもぜひルカ・マリネッリで見てみたかったが)。

ルカ・マリネッリは好きだけどカリスマ性がありすぎてこの役にはどうなんだろう、キャンディーボーイのジョルジオはまだしも、愛らしい小悪魔のような少女フルヴィアがエヴァ・グリーン似のお姉さんっていうのもなあ、と鑑賞中は残念に思っていたけど、時間が経つにつれだんだんあの雰囲気ならアリだったのかもしれないという気がしてきた。ちなみに、本国でもかなりキャスティングの評判が悪かったようで、原作のある映画の難しさを感じる。(作者も登場人物もピエモンテ人なのにローマ出身のルカ・マリネッリがやるなんて…という批判は狭量だと思ったが、アクセントのせいか「なんでミルトンがあんなトッティみたいなしゃべり方なんだ」とか書かれていたのは笑った。)
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