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サッドヒルを掘り返せのとぽとぽのレビュー・感想・評価

サッドヒルを掘り返せ(2017年製作の映画)
4.0
50th anniversary イーストウッドが踏んだ石に触れたい --- 墓地を復元して、自分たちが愛してやまない映画の一部となる。それは永遠の非日常体験で、歴史を掘り起こす新たな歴史。生きる意味を探し続けるという芸術の存在意義。彼らを突き動かすのは人生を変えられるほど影響されたファンとしての熱量、そして愛。もはや宗教で神話。シャベル片手に集まった人々それぞれに物語があるだろう。それだけここは魔法のような場所、無人のディズニーランド。ここには何も無くて、何もかもが有る。何変哲もないだだっ広い場所が、(映画史に燦然と輝く)一本の特別な映画によって特別な掛け替えのない魔法の宿った場所になる。長年の思い出が実在の光景として目の前に広がっていく興奮、それも自らの手によって生まれる"聖地巡礼"。決闘再現までして、ここから大人になると子供のときほど純粋に楽しめなくなってしまう僕たちが学べることは多い。芸術の力と可能性を再確認するこの上なくまたとない機会。私事ながら「表現の可能性(責務)」といった類の言葉を社会派映画に対して使う機会が多かったけど、それは全てに言えることだ。最後の極め付きは最高のご褒美サプライズが待っていて泣かせる。その瞬間、本当に胸が熱くなって鳥肌が立った。映画の魔法はいつまでも終わらない!
夢が叶う --- サッドヒルは絶対商業化すべきではない。それほど名シーンと名高くアイコニックなラスト20分 = "運命の競技場"サッドヒルでの"あの"決闘シーン! その裏側・制作秘話的な小話はもちろん、当時の実際の映画スタッフ(本作の中でも多大に言及され尊敬されているエンニオ・モリコーネ御大はじめ撮影助監督、編集)や出演した兵隊たちにも話を聞いて、あの大爆発の真相にも迫る。流石タランティーノが一番好きな映画で、こんなドキュメンタリー映画を見てしまうとやっぱり本家『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』を見直したくなること必至。本当に映画は総合芸術を地で、しかも圧倒的レベルで体現し、どこを切り取っても絵になるから。長年過小評価されてきたが、今となっては常識感もあるけど、レオーネはこんなにも偉大なのだ。イーストウッドがドル箱3部作すべてで着た"あの"ポンチョの展示されたガラスに誰もが鼻や額をつけて見入る。あとメタリカのジェームズ・ヘットフィールドが良いこと言いがち。まさか本当にイーストウッド本人からコメント貰えるなんて。労力に見合う祝祭に思わず男泣き。セルジオ・レオーネ御大ももし生きていたら喜んでいたに違いない。ありがとう。あの音楽が始まる...そして嵐が来る。まさかマジでメタリカで始まり終わるとは!!

真実を知ってるか?映画史に残るものを保存。自分には使命があると感じる
これで誰が見てもロケ地と分かる

日本からもTAKASHI IKEDAさん参加してたのか
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