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怪怪怪怪物!のmimotoxmimotoのレビュー・感想・評価

怪怪怪怪物!(2017年製作の映画)
3.5
岩井俊二映画の引用の正しさがすごい。あまりにも正しくて泣きそうになった。この岩井俊二引用加点がすごい2018受賞。

主題として善と悪のシームレスな関係性を持ち、きれいな三幕構成(ドラマの前提設定→主人公の葛藤→解決)でストーリーを進め、特別なラストシークエンスでまとめた、ストーリー構築のお手本のよう。

ただ、物語上とても重要なキャラクターをことごとく女性性という記号に委ねていたのが気になった。
「怪物」(=モノとして扱ってもよい対象)は少女の容姿をしているし、事なかれ主義の嫌な人間は美人な若い女性(=いわゆるビッチ)、生き残るべきと判断を下されるのも、とある女生徒(=神聖性、いわゆる処女性)。
「怪物」が少女の容姿をしているのは現実の写し鏡として考えても、ほか二つの役割は果たして女性である必要があったのだろうか。既存の記号に安易に寄ったものではなかったか。(主人公の言う「世の中には悪人とバカしかいない」の「バカ」は男性でしたね。)そこらへんはもう少し時間をかけて考えたいなと思う。

でもまあ、岩井俊二映画の正し……(以下略)
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