サラリーマン岡崎

SUNNY 強い気持ち・強い愛のサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)
4.2
オリジナル版は80年代の韓国で、
民衆闘争など、男性中心の社会の中で、
それでもイキイキい生きた女子高生たちを映す
全体的にキラキラした主人公たちの光景の裏にある辛さが感じられる、
楽し切ない映画だった。

日本版のこちらは、
90年代の日本、むしろ女子高生は怖いものはなく、本当にイキイキと過ごしてきた時代。
辛さはなく、安心して見られるのはある。
(関西淡路大震災や世紀末の話は出て来るが、特にそれが活きてる訳ではない)
1番の改変である90年代のJ-POPはそのイキイキとした感じを盛り上げる。
なので、90年代パートはとてつもなくアガるのは確か!
特にガングロギャル達が口悪くうるさく会話する様は本当に爽快!本当にうるさい汚いwww
だからこそ、ラストに関しては、オリジナルはウェッティだが、今作はガチ爆上げアゲテケ。
(大音監督らしいし、大根監督もそうしたかったらしい)

ただ、それが故にだが、
主人公達への共感や思い入れはオリジナルの方がしやすい。
というのも、やはり嫌なことがありながらもイキイキと生きている人を見る方が応援したくなるからだ。
現代パートの登場人物の背景もオリジナル版の方がエグい。

でも、その作りこそが90年代っぽいなとも思った。
トレンディドラマの様なキャッチーさがある。
日本に置き換えてるので、
これが本当の姿なのかもしれない。

そして、タイトルの「SUNNY」、
韓国版ではBoney Mの曲名から主人公達のグループ名としてつけていたが、
今回はその曲を使わないからどうするのだろうと思ったら、
ちゃんとその言葉の意味の「陽だまり」という意味で彼女達のグループ名を付けている。
陽だまりの様な青春のことを表しており、90年代パートはとても太陽光が当たっている。
オリジナル版ではあまり見えにくかったタイトルの意味をしっかりと伝えてくれて、少しウルっと来た。

そして、ラストはまさかの仕様。
ある意味タイトルが「パフォーマー名」「曲名」になっていることが活きた作りになっている。すごい。
ただ、最後に出てくるあの人はこの俳優じゃない方が良かったな…正直、見た目からもあのHeroの彼女がくるかなと思ったから残念。

サニーはベトナムでもリメイクされたらしい。
なんかこうやって各国の音楽と時代性をアレンジして、同じテーマで映画を量産していく流れはとても素敵だと思うんだよね。
この映画を見た後、旧友と飲んだけど、
当たり前過ぎの話だけど、やっぱり友達は大切だ。