悠

SUNNY 強い気持ち・強い愛の悠のレビュー・感想・評価

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)
4.2
【青春と、再会する。】

「心以外はモノ同然って言うなら、自分で肉切りとって売ってみろ。それが出来ないなら偉そうな口叩くんじゃねぇ。」

伝説のマンガ "GALS!" に出てくるカリスマギャル、蘭ちゃんは「心さえ売らなければ大丈夫」って援交してる同級生・綾に向かって、こういうセリフを吐く。

綾は劇中で括られる "現代のJK" に近いのだろう。賢くて、合理的。抱くのは信念ではない、自分に課したルール。規律は相手と場所で変わる。1秒ごとに動く画面とそれと並行する世界で、いろんな自分を出して、閉まって、空気を読んで。

コギャルが日本の中心だった時代。強いと信じて疑わなかった彼女たち。ルーズソックスにラルフローレン。敷かれたレールの上じゃない。横に広がって歩く姿はアベンジャーズさながらのヒーロー。「ダサいことはしない」「仲間は守る」それは、ただまっすぐな信念。全身で、心を表現する。発現する。

「アズミ・ハルコは行方不明」でも思ったことだけど、女子高生はどうしたってやっぱり最強だ。そう思っていい。そう思われていい。理想の自分になれないかもしれない。淘汰されて、自分の限界に泣いて、妥協して、ぬるい安定に縋って、そんな人生かもしれない。でも、たとえそうだとしても。

最強だと信じた日々があれば、何があったってやってける。「女ってそうだよな。」勝手に言ってろ。強い気持ちと、強い愛。男には絶対、一生分からない。大根監督すらも少し置いてけぼりにしたような女優たちの眼差しが語ってる。


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