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SUNNY 強い気持ち・強い愛のumisodachiのネタバレレビュー・内容・結末

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2011年公開の韓国映画の日本版リメイク。韓国版未見。1990年代後半のコギャルブームを背景に、女性たちの友情の行方を描く。

夫と高校生の娘と暮らす比較的裕福な主婦・奈美は、実母が入院している病院で高校時代の仲間・芹香と再開する。会社経営者として成功していた芹香から、末期がんで余命1か月だと告げられ衝撃を受ける奈美。芹香は「最後に高校時代の6人組の仲間"SUNNY"たちに会いたい」と涙を流す。奈美は、高校以来連絡を取っていなかった昔の仲間を探し出すことを決意するのだが……。

私は1979年生まれ。コギャル世代ど真ん中。おそらく、この作品の主人公たちと同学年の可能性が高い。まあ、違っていたとしても1~2学年程度だろう。しかーし!私自身はコギャルでもなんでもなかった。女子高で、確かにルーズソックスは履いていたが、映画の中に出てくるカバンなどのアイテムもチンプンカンプン。なんせ、私はOutdoorのリュックとか背負ってましたから(しかも兄のお下がり)。肌の色も真っ白で日サロなんて行ったこともない。なんなら、カラオケも行っていなかった。髪も染めずにショートカット。当然ノーメイク。当時の私は、この映画よりハリポタに登場した方が浮かないと思う。

では、オタクグループだったり地味グループだったのかと言われるとそういうわけでもない。なんだろうな……サブカル寄りの普通グループ?とでもいうのかな。聞いていた音楽は、UNICORN、ミッシェル、ピチカート、ラルク、CASCADE、イエモン、スピッツ、サイーディ。みたいな感じで、メジャー寄りの子はB'zやミスチルやドリカムを聴いていた。オザケンも好きだったけど、オザケンを特に好む子は決して多数派ではなかった(音楽通というイメージ)。当然、小室ファミリーも一般的には人気があったけれど、少なくともうちの学校では、アムラー系統のコギャルは全体の3割くらいかなあ?この映画に出てくるレベルとなると、1割もいなかったんじゃないかしら。ま、あくまでも関東近郊の田舎女子高の話ですが。

それでも、この作品が猛烈に懐かしかったのは確かだ。自分がSUNNYにいるという想像は全くできなかったが、あの時代の空気感は思いっきり感じた。そうそう。あんな感じだった。私たちも、集まればずーっと笑い合っていてうるさかった。携帯もなかったし。ポケベルだって全員が持っているわけではなかった。そして、あんなに派手ではないけれど喧嘩もした。イケイケな女子高生が時代の中心にいたという空気は、確かにあった。(私はそのジャンルではなかったけれど)

だから、ちょっと違和感もあった。文化祭でコギャルが踊る曲は、小室ファミリーばっかりじゃないんじゃないかなーとか(踊れる子たちは、SHAMPOOとかスパイスガールズとかMe&Myとか、女性洋楽系を選んだ気がする)。少なくとも、コギャルがオザケンを選ぶことはないんじゃないかなーとか。エヴァにハマっていた大人が、20年後に「原点回帰でモー娘。」っていうのは、ちょっとズレてるんじゃないかなーとか。でもまあ、そんな細かいことはいいや。

奈美と家族との関係について変化が見られないなど、各キャラクターの掘り下げは十分ではない(その分、時代を反映した演出部分に時間が割かれている)。ドラマとしては「もうちょっと見たい」と感じる要素が多かった。しかし、キャスティングは満点に近い。皆、コギャル時代と大人時代の姿に違和感が全くない。しかも演技が達者。小池栄子とか最高に良かった。唯一、池田エライザのみ両時代共通で演じていたが、できることならばここも変えてほしかった。希望を言えば、吉川ひなのや市川実和子といった、同世代のイット・モデルが登場してくれたら、最高に盛り上がって追われたのになあという気がしている。

あ!あと注目は三浦春馬。いたー!あんなファッションのイケメンー!という感じで、出てくるだけでテンションが上がって爆笑できる。大学生にはとても見えないけど、当時の高校生からしたら、あれくらい大人に見えたよね。
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