つう

SUNNY 強い気持ち・強い愛のつうのレビュー・感想・評価

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)
3.0
『光が射したか…いや、曇った。』

90年代仲良しグループ「サニー」のメンバーたち。あれから20年以上、月日が流れていた。そんなとき、病院で偶然にも奈美はリーダーの芹香と再会するのだが芹香は末期ガンだった。そんな芹香の最後の願いは「サニー」のメンバーにもう一度、会うことだった。芹香の願いを叶えるために奈美は「サニー」のメンバーを探し始めるのだった。

2011年公開の韓国映画「サニー永遠の仲間たち」を「モテキ」「バクマン」などで知られる大根仁がリメイクした作品。

主演は奈美の大人時代を篠原涼子。高校生時代を広瀬すずが務めた。

うーん。大根作品を一応、全部観てるけど。このサニーを観て分かりました。オレ、大根作品が苦手なんだな…と。

「ララランド」のオープニングを「LALALA LOVE SONG」に乗せて送り出す感じとか要所、要所でイイなと思うシーンは多い。
小物や美術などに配慮があるのも好感が持てたし。学生運動などの流れを90年代のコギャル文化に変化させているのは上手かった。

キャスト陣は高校時代と大人時代のキャスティングが絶妙で良かった。
キチンと一目で、このキャラクターが成長した姿だと視覚的に分かるようになってるのも良し。

そこが良かっただけに池田エライザが只の池田エライザになってのも残念。山本舞香もタイプとしては池田エライザっぽい子なのだがキチンと90年代風メイクなどをしている。

オープニングの「LALALA LOVE SONG」と「やさしい気持ち」の曲の使いどころは良かったが。他の曲は只、流れてるだけ。

篠原涼子がいて小室哲哉がいるのに篠原涼子の楽曲が流れないのは何故?
黒歴史扱いなのか?

篠原涼子は舞台となった90年代にブレイクして出てきたハズなのにキャスティングだけで留めてるのはもったいない。

そもそも音楽の付け方が下手すぎる。映画の劇伴を担当した経験のない小室哲哉が担当してるせいだろうか。そりゃあ楽曲は懐かしくもイイ曲ばかりで、もちろん流れるとアガるのは間違いないが、そこに流れる意図をもって流してくれないと映画の中ではノイズでしかない。

そして、ラスト。とある曲をバックに踊る。そこはイイ。
良いんだが踊り終わって、スグにまた同じ曲で、もう一度踊り始める。
ここのシーンの演出は当然、韓国版にはない。

流石に目を疑ってしまった。そこは最初の踊るシーンに被せていけばイイでしょうが。大人キャストとJKキャストを一緒に踊らせたいラストにしたいなら、せめて。せめて曲は変えようよ。ヘタなの?下手くそなの?と感じたなぁ。結構、このラストで台無しになった感じ。

オレ、こういう大根監督のこういう悪ノリな感じが苦手なんだなと決定付けられた。そこが分かっただけで観て良かった価値はある。
つう

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