感傷的に言えば青春期、ボンクラ用語に直せば永遠の夏休み、そこからの脱却を描いた物語ならばこんなのは俺の物語じゃねえなんつって背中を向けられるけれども。
それの終焉にきっと立ち合わされる内容だろうからと思い避けてたんですよ正直に言って。
結果、本作で描かれる文化の自分は当事者ではなく傍観者に過ぎなかった事を思い出し、同時に客観的立場の死守に成功した次第ですけれども。
冒頭の、コギャルだらけの登校風景がもう完璧なる異界トンネル、そうして紛れ込んだあちら側の世界が、不破万作が「マルサの女2」並の輝きを放つベタで勢い任せのギャグこそが機能する俺好みの魔界じゃないすか。
更に。
それのおよそ20年後の時代とが交差しながら描かれればビフォーアフターへの興味が自然と持続する寸法、引き込まれること必至ですわね。
そりゃあもう楽しみましたよ。
他愛ない物語だけれども愛すべき部分を持ったキャラクターが織り成すそれはやっぱ見ていて楽しいですよ。
一部、物質的幸福を救いとする結末も時代を感じさせて好印象。
大根仁案件はやっぱ素通りは出来ねえな畜生め。