洋タルト

SUNNY 強い気持ち・強い愛の洋タルトのネタバレレビュー・内容・結末

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)
1.6

このレビューはネタバレを含みます

(・ω・)激動の90年代を生きた女子高生を描いた映画!
韓国のものも気になる!

この映画は韓国版が人気らしく、レビューなどでも高評価な人が多いのでどうなんだろう?と思って期待しながら観ました。
そして、観た結果全く悪くはありませんでした。しかし、自分には物足りなく感じてしまう部分も…。

今回は「90年代」「SUNNY」「現代」という3つのポイントに注目しつつ、レビューしたいと思います。

「90年代」
この作品は奈美のいた90年代(アムラー全盛期)女子高生グループのメンバーの青春と現在を描いた作品なのですが、青春時代の仲間との絆の深まり方や他愛もない日々などを描くのは非常によくできているなと感じました。

特に、鰤谷の奈美イジメや、奈々の家庭事情からの奈美への拒絶反応など、このSUNNYというグループの結束が強まるような場面や人間関係が構築されていく過程がこれでもかというくらい深く描かれていたように思います。

そして、当時の流行やファッションなどの再現度も高く、この世代の人達はきっと懐かしい気持ちになったり作品への感情移入がしやすかったのではないでしょうか?

「SUNNY」
これが奈美達のグループの名前であり、この名前はシンがダンスコンクールに出るためのチーム名を決めた際に出した案でした。

「ここって陽だまりみたいな場所だし」
この言葉通り、皆がここで集まってワイワイ騒ぐ事を楽しんでおり、いかにこのグループの結束が強いかを表した名前であるかが伺えました。

ハスラーズは犯罪グルという間違った絆が生まれた作品でしたが、SUNNYは少女達の人生を彩る強い絆を生み出したと思えて、このグループのメンバーを応援したくなりました。

「現代」
問題がここですね。過去の話については多くのグループの結束が強まる過程を見れていたことから、かなりウルっと来る場面などが多かったのですが、現代の話は全員のエピソードが濃いはずが薄味に思えました。

金持ちと結婚したけど浮気された。美容室を開いたけど潰れて更に離婚もしてアル中になった。結婚した男がろくでなしで金がなく、営業成績も上げられない。

1人1人の持ってるエピソードはとても濃いはずなのに掘り下げが少しおそまつであり、芹香を通してまた皆頑張ろうと奮起するのかと思いきや芹香が彼女達のために援助をするという展開に少しモヤッとしました。
芹香の援助は彼女達にとって、とても心強いものですが、その後を彼女達がどう作っていくかの方が大事じゃないでしょうか?

また、ラストで遂に奈々が出てくるのですが、彼女のエピソードが分からず更にモヤモヤ…。
どうして探偵から目をつけられずに来たのか?
どうして今まで来なかったのか?
彼女は今何をしているのか?
謎が多すぎるラストでした。

総合すると、青春と時代背景をしっかり描けている点では素晴らしい作品ですが、現在の実情の書き方が少しお粗末になってしまった作品だったと思います。
青春7割、現代3割くらいの比率によって、1番見せなければいけない現代の芹香とのエピソードを薄めてしまった作品だと思います。

『病気である高校時代の仲間のために、同じグループだった仲間を集める話。』
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