島袋健太郎

SUNNY 強い気持ち・強い愛の島袋健太郎のレビュー・感想・評価

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)
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90年代中盤からの、この「コギャル文化」に世代的にはど真ん中で、東京には住んでいなかったが、感じていた当時の空気とは全く異世界の映画。
当時のヒット曲が劇中散りばめられてはいるが、異世界の為、非常にかき割り的に響いて乗れない。
大根仁監督は、オリジナル版の「サニー」を必死に日本にトレースした、という努力は見えるが、根本的な部分で違ってしまっている、と言える。

リメイクにつきまとう「オリジナルとの改変」と「同じエッセンス」のバランスが悉くズレてしまっているので、「オリジナルを観た人」の比較ではやはり物足りないし、削られた部分、追加された部分、舞台を置き換えたことによって起きる工夫と差異がほとんどの部分で「違和感」となっている。

そのため出来るだけオリジナルとの比較はせず一本の別作品として観ても。
当時のことを知り、ノスタルジーとして観たとしても。やはり音楽への違和感と、聞かれ方、散りばめられたミュージカルシーンと作劇のハマらなさ、何よりそこから「90年代」をあまりに抽象化され過ぎてイメージできない、ということに尽きてしまう。

複数のキャラクターを一つにまとめた点。
オリジナルにあるシーンをそのまま引用した点。
オリジナルにあったサブプロットが舞台設定の変更で活かせない点。
俳優の演技力や、演技的特質の魅力の差、などで全編モヤモヤしてしまうし、つまり僕自身が思った以上にオリジナルを偏愛していたことに気付いたりもした。

ただ、そもそもにおいてこの「サニー」という映画のリメイクの難しさの中、板谷由夏、ともさかりえの演技、また池田エライザの存在感などは遜色はなかったように思えたのは救いだった。