山田尚子最新作。もうこれだけで期待値は上限突破してしまう。
前作の「聲の形」は決して爽やかではない残酷な青春をこれでもかと見せつけてくれた。
この監督の描く空気感がとにかく好きで本作でどのような空気を見せてくれるのか楽しみで仕方なかった。
「リズと青い鳥」というタイトルではあるが、「響け！ユーフォニアム」のスピンオフ作品。
黄前ちゃんたちが2年生になっているので、スピンオフであり続編。
「けいおん」も「たまこラブストーリー」もTVシリーズからの続編ではあるが、
本作の主人公みぞれと希美は本編ではサブキャラクター。期待よりも不安が大きいのも事実。
不安は杞憂。
冒頭から完璧な空気感。
舞台は同じでも「響け！ユーフォニアム」とは全く別の作品だった。
鎧塚みぞれを中心に描かれる本作は、彼女目線での世界なのか、
どこか流れる空気も、風景も描かれる人物も柔らかくどこか儚げ。
タイトルまでの歩く2人の姿と絶妙な距離感。
完璧に世界観が構築されてる！！
百合展開でもなく、男女の恋愛でもない。
けど間違いなくラブストーリー。
すれ違う2人の心情の変化が仕草や表情で伝わる。ほんと京アニってすごい。
絵本の中のストーリーと現実のストーリーの重なり。
視点を変えることで見えてくる他人の気持ち。
爽やかで心地よい青春映画。
ハッピーエンドかな。
他人が触れたら壊れそうなみずほの世界が少し明るく進み始めた。
