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リズと青い鳥のyuのレビュー・感想・評価

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
4.5
「神さま、どうして私にカゴの開け方を教えたのですか。」
本物の感情から目を逸らして笑って誤魔化す希美と口数は少ないけど本物の気持ちは真っ直ぐ言葉にするみぞれ。繊細で脆くて、綺麗な感情だけではない、そんな2人の少女がちゃんと向き合い前へ進むためのお話。
2人の目線や横顔、光の反射、指や髪の先、足音等の細かい仕草や間で台詞には無い感情を丁寧に表現しているのがとても良い。何気ないシーンなのだとおもうけど楽器に反射した光で戯れる2人のシーンが好きでした。
最初はみぞれ→→→←希美のように描かれていたのが全然むしろ逆で、それが物語が進むに連れて顕著になっていくけれど、ただ想いの種類は違くて、みぞれは真っ直ぐだけど(パンフでは執着と書かれていた)どちらかといえば希美の方が執着や独占欲の屈折した感情に近いように感じた。醜い負の感情を抱えたときに他人にあたるでも寄りかかるわけでもなく、明るくへらへら笑う(ぎこちない)。自分の思っていることを言葉でちゃんと表現できなくて、それに鈍感さも相まって地獄のようなそんな希美を自分と重ねてしまい辛かった。
リズと青い鳥の絵本、曲の登場人物の役割や解釈等と演奏を通して2人がお互いを、また自分自身と分かり合えていくのが良い青春だなあと思う。
好き過ぎて纏まらないのでとりあえずみてください。早くDVD欲しいです
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