ワルキューリ

リズと青い鳥のワルキューリのレビュー・感想・評価

リズと青い鳥(2018年製作の映画)
4.6
青春時代の「この人しか目に入らない」と感じる想い。それは生まれたての小鳥の刷り込みにも似てどこか微笑ましく、それでいて一度固着化した関係は前に踏み出せない鎖にも。

冒頭から徹底される希美しか見えていないみぞれの姿は、逆に「希美が自分(みぞれ)をどう見ているか」をもぼやかしてしまう。特に希美が窓に飛び出しそうに見えるパースをきかせたショットは何度見ても目が離せない。

自他ともに認める親友同士でありながら、どこか不安定さを感じさせる二人の関係。永遠にこの時間が続くことを望むみぞれに突きつけられる課題。絵本の中のリズはもう乗り越えている問題をぶつけられ、現実感を際立たせる。

よく見ると希美はいつも友達に囲まれているんだけど、どことなく上の空。対してみぞれは希美と離れている時はひとりきりだけど、気にかけてくれる人がいつもいる。なんて優しい世界なんだろう。

ラストの解き放たれた二人の演奏もさることながら、みぞれから希美へとバトンタッチされた視点移動にヤラレたなあ。

それにしても呼吸や影、髪の仕草etc... 細かい演出がいちいちエモい!その中でもお互いの足の踏み出し方は文字通り「境界」を破る力強さを感じさせます。