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目撃者 闇の中の瞳のSyoCINEMAのレビュー・感想・評価

目撃者 闇の中の瞳(2017年製作の映画)
4.0
鮮やかに裏切られた……これは面白いぞ。。。

時々、自分の脳味噌フル回転させて付いていかないといけないような作品を見たくなる時ってありませんか? 僕はよくあります。作り手と知恵比べをするような……。例えば最近だと「女神の見えざる手」なんかそうですよね。

本作はそういう欲求を完全に満たしてくれるだけでなく、いろんなジャンルの映画を一気に見たようなお得感もある。ミステリー、サスペンス、ホラー……。特にホラーのエッセンスが入っているのが非常に良い。
監督がホラー出身だけあって、見せ方がとにかくうまいのです。冒頭の雨のシーン、壊れたフロントガラスに血走った目が大量に写し出されるシーンで戦慄させられる。これはただものじゃないぞ……と、皮膚感覚で「良い映画に出合った」ことがわかる。そういう雰囲気の作り方がとても良い。

自分はアメリカとかヨーロッパの映画が好きで、どっちかというとそういうのが大半なのだけど、アジア映画って、日本映画とはまた違った独特のにおいがあって好き。それは妙に懐かしくて、「わかる」度合いが欧米の作品よりも強くて、ぞくぞくする。

本作は台湾の映画なのだけど、感覚的には韓国映画に近いかな。結構ハードな描写もあり、見終えた後はぐったりとしつつ、誰かと解釈を語り合いたくなる。特にラストが衝撃で。見てた時は「マジか……」と絶句した。もう、やられた!って感じ。

話的には、ひき逃げ事故をめぐって真相が二転三転して、さらにいろんな事実が明かされて、どんどん変容していく感じ。芥川龍之介の「藪の中」のような。或いは「ユージュアル・サスペクツ」のエッセンスも少しあるかもしれない。

こっちが「こうなるのかな?」って予想してると、まずその通りに映像が語られて、「あ、やっぱそうか」ってなると、他の人の証言で「それは嘘でした」ってなる。あぁクソ!騙された!ってなる。
つまり、語られる映像をいちいち信じていると、「これはある仮説を映像化しただけで本当は別かもよ?」って言われて、混乱して、絡め取られていく。脚本が秀逸なだけでなく、演出が観客の理解度とかを完全にわかっている感じ。

映像のクオリティ、画面の構成力が相当高いので、それだけでも満足できると思います。映画ファンが応援して、口コミで広がっていくといいな。オススメです。