ケイスケ

ファイティング・ファミリーのケイスケのレビュー・感想・評価

4.1
女性プロレスラーのペイジことサラヤ・ジェイド・ベヴィスと家族を題材にしたドラマ。プロレスを扱った映画って名作が多い気がします。『レスラー』『カリフォルニア・ドールズ』とか。あと本作を観るのに欠かせないのはWWEの名作ドキュメンタリー『ビヨンド・ザ・マット』ですね。

イギリス北部でレスリングジムを経営するナイト家のサラヤは、中学生のころからリングに立ち、子供たちにレスリングを教えながら、WWEの試合に出るという夢を抱いていた。あるとき、トレーナーのハッチからWWEの試験に誘われる。プロレスを愛する兄のザックと共に参加したサラヤは、そこでドウェイン・“ザ・ロック”・ジョンソンと対面する。

これは面白い!自分もプロレスは割と好きな方ですが、今後もプロレス映画に名を残していく傑作だと思います。メインビジュアルにロック様がいるから、この人もファミリーの一員かと思ったらまさかのザ・ロック役。つまり本人役!めちゃくちゃおいしい役回りでしたね。

それ以外の役者もみんな良くて、特に主演のフローレンス・ピューの新たな面が見れて満足。『ミッド・サマー』と『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』を先に鑑賞していたため、こんな役も出来るんだと驚き。あと好きなのはコーチ役のヴィンス・ヴォーン!『ハクソー・リッジ』のハウエル軍曹並に鬼教官役がピッタリ!てかほんと教官役が上手いよね。

「プロレスは脚色された世界だ。だが観客は嘘を見抜く」。本作はこの台詞に全てが集約されています。プロレスに理解を示してないザックの彼女のお母さんが「プロレスってヤラセよね?」って言うんですが、未だに自分の周りでもそう言う人はいますね。まあ、この人あとからめっちゃ汚い言葉で熱狂するんだけど笑。

もちろんプロレスには決められた展開がありますが、技をかけたり受けたりする痛みや技術は本物だし、選手や観客が一体感となって形になります。そしてこの“嘘”というのが主人公サラヤが自分がレスラーとしてどうすればいいか、兄ザックが本音を打ち明けるにはどうすればいいか、というまさにプロレスを題材にしたストーリーと完璧に繋がるわけです。

本作を観たあとは間違いなく現実のプロレスに興味が沸くし、自分も久々にWWEの試合動画を見まくりました。後半は少し話が急ぎ気味に感じましたが、プロレス映画に新たな傑作が生まれましたね。面白かった!