ひろぽん

ファイティング・ファミリーのひろぽんのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

イギリスのレスラー一家に生まれ育った18歳の娘サラヤが、アメリカのプロレス団体WWEでスターの座を掴むまでの苦悩や葛藤を描いた家族愛溢れる実話の物語。


WWEで活躍した女性レスラー・ペイジことサラヤ・ジェイド・ベヴィスのスターダムにのし上がるまでの話で、単なるスポ根映画ではなく観ているこっちまで胸が熱くなるヒューマンドラマ。

プロレスは日本のインディーズ団体の試合を何回か観戦した事があるからこのナイト一家が経営するような小規模団体には親近感が湧く。


夢を追うことが想像よりも遥か厳しいという現状に困惑する妹サラヤ、夢破れて受け入れられない現状に葛藤する兄ザック。理想と現実の間に揺れ動く2人のレスラーの胸を締めつけるような心情、苦悩、葛藤、弱さ、愚かさが表現されており胸の奥深くにグサグサ突き刺さる。

一見悪そうなヒールキャラに見える養成所の同期のモデルたちや厳しすぎる鬼コーチの本当の心情を知った時とてつもない感動が押し寄せた😭
登場人物はみんな良い人たちばかり。

“ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソンがメインで出演するのかと思いきやそうではない。笑
本人役として登場する作品として極めてレアでカッコよすぎた。

“格闘技は本物、プロレスは偽物と思っている人は多いかもしれない。だが、リングの上で最高のパフォーマンスができるのは自分の本当の魅力を知ってる奴だけ。”

ここの台詞とシーンは印象的だったし、長くはないシーンの中にWWEの頂点に立った男の凄さと偉大さを感じた。

プレッシャーや色んな思いを背負って繰り出した“ザック・アタック”は最高だった!

ラストの試合までの流れは急ぎ足で畳み掛けるように進んでいったからもう少し丁寧に描いても良かった気がする。ラストに実際の家族の映像が出てくるが、ペイジをはじめナイト一家の再現度の高さが異常なくらい似ていてビックリ‼️ザックは盲目のプロレスラーを育てたという凄さ。

『ミッドサマー』や『ストーリーオブマイライフ』とは一味違ったフローレンス・ピューが観れるのも見どころの一つ。ペイジに寄せた役作りは相当な努力をしたに違いないクオリティ。


プロレスを観たことがない人や興味ない人でも楽しめる仕上がり。夢叶えし者と夢破れし者の選ばれた人間と選ばれなかった人間の光と影を描いた作品でさらに家族愛、兄弟愛に溢れる最高に胸が暑くなる感動作。夢追う人にはぜひ観て欲しい。
ひろぽん

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