ルイまる子

ファイティング・ファミリーのルイまる子のレビュー・感想・評価

3.6
【イギリスウエールズで鑑賞】プロレス団体WWEの女性レスラーペイジことサラヤ・ジェイド・ベビスと、同じくレスラーの父リッキー&母ジュリア、兄ザックというレスラー一家の実話を描くコメディ。現在イギリス、ウェールズ、カーディフに滞在中のため、より身近にイギリス人の少女の気持ちに共感出来たと思う。彼女が家から遠く離れたカリフォルニアにプロレス留学する最初のシーンの不安な気持ちは非常に理解できる。イギリスと言えども(日本ではイギリスというと結構リッチで教養あって。。みたいな認識だと思うが田舎はとんでもなく田舎者だし貧乏だしアメリカ人がfreaksとか(奇形)呼ばわりするもわかる、というくらいピアスしたり目の周り真っ黒にしたりファッションも一般的でなかったり私はマイノリティーのグループの人です!という見た目だったりするし政治が悪いのか世界中から人が集まるからそうなるのかなんせ貧乏)。ノリッジというロンドンから北西にある小さな町出身、茨木県みたいなものかな、しかも家族全員がプロレスラー、父親が地方巡業で稼いできたような家庭出身だから本当に本人からすると田舎者だ。なのに英語のアクセントがアメリカ人に受ける。何を喋ってもすごいすごい!その発音素敵!と狂喜される。本人からすれば、は???であろう。。。みんなこうやって喋ってるのに金満アメリカ人のコンプレックスの琴線に触れるからって褒められてもなんのことだか。。。。

そのアメリカ人にばかうけの発音以外、ほんとうに貧乏で無知でアホでなんの華やかさもない。口ビアスしてる全身黒尽くめ試合に出てもはぁ?ハロウイーンには早いんじゃない?とか揶揄されたり、どう考えてもアメリカの派手な試合に馴染めない。途中からペイジは誰からも愛されない実力もない自分が嫌になり、自分を見失いバカにしていたブロンドのセクシーな女性になろうとしたり迷走する。でもイギリスの家族がすごい!本当に愛情が深い。ずっと彼女を嫉妬していた兄も結局は一番の理解者になってくれる。イギリス人の家族の絆を心から温かいと思った。本当にこちらに少ししかいないけど彼らはそういう人達ですよ、見えにくいけど温かい!そしてもう一つ親近感を異常に持ったのは、結局彼女ライバルに対してアメリカ人が普通に試合前にマイクで相手を貶める「脅し」みたいな言葉が一切言えなかった所だ。イギリス人は日本人と同じく真面目でシャイ、人を傷つけるようなことは絶対に言えないのだ。アメリカ人みたいにやれと言われても絶対に出来ない。そこが好きでした。ストーリーとしては全く未知のプロレスの世界だったけど、イギリス人のペイジの行動がとても日本人と似ていて繊細だし、又プロレスラーだけどめっちゃ女らしく優しさに溢れたお母さんや愛情深いお父さん、そばに居てほしいお兄さん。なんて素敵な家族だろう。共感できる映画でした。
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