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MAROKO 麿子のmitakosamaのレビュー・感想・評価

MAROKO 麿子(1990年製作の映画)
3.4
押井守の原作・脚本・監督作で一番好きかも。逆にコレが出来るなら何故他の作品でやらないのか?
元が6話のOVAで再編集した総集編がこの映画。OVAの方が面白いんだけど映画も普通に面白い。
低予算感がハンパ無く、全然絵が動かない会話劇なんだけど、それを逆手に取った舞台演劇風の演出。ミニパトもそうだが、金が無いなりの工夫は押井は上手いよなぁ。

舞台風になったので、声優の演技力が本当に伝わる。みんな活き活きしてるし、録音がメチャ楽しかったという逸話も納得できる。
特に鷲尾真知子が好きだわぁ。うる星のサクラさんもそうだが声の高低の使い分けが本当に面白い。これって千葉繁や玄田哲章や永井一郎もそうよね。

四方田家の母タミコが家を出て行くと宣言する際の演出。家の中なのに、回転扉からエレベーターを降りるというシーン。超好き!

主役の犬丸が古川登志夫なので、やっぱりうる星のアタルを思い出す。まあ元々のアイデアが “もしラムが宇宙人でなく只の詐欺師だったら?”ということらしいので納得できる。うる星でやられてたら目も当てられなかっただろうが、他の独立した作品だから成功したんだよね。
そう考えるとイノセンスやパト2も、甲殻やパトレイバーとは切り離して作ったらもっと違ったのかも…と考えるわぁ。

OVAの冒頭の鳥の説明が無くなったのは残念だな。あと歌も凄く良いんだ。
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