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妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢのTSのレビュー・感想・評価

2.5
【夫婦喧嘩の原因がかなり微妙】57点
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監督:山田洋次
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:128分
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三作目にしてかなりコケた気がしました。もともと三作目も劇場鑑賞しようと思っていましたが時間が合わずにレンタル待ち。結果的にレンタルで十分かなと思ってしまったとともに、1.2が良かっただけに非常に残念だなと思いました。1.2にあった日本の家庭における社会問題、クスッと笑えるコメディ要素が今作にはあまりないと思えました。

いつも通りの平田家に泥棒が侵入する。泥棒はキッチンの冷蔵庫から史枝のヘソクリを盗んで逃亡してしまう。そのヘソクリの存在を知った幸之助は史枝に激怒するのだが。。

今作はヘソクリを盗まれたということから家族騒動が起きるのですが、これがどうも納得いかない。ヘソクリ=夫が稼いだお金なのかもしれませんが、それをしていたことにより激怒してしまう幸之助はいかがなものなのか。家族の安全よりも自分に隠し事をしていたということに憤りを隠せないようです。この些細なことから騒動に発展するのが今シリーズの良いところなのかもしれませんが、1.2はその些細なものが日本社会の問題でもあるという点で良かったのです。1ならば熟年離婚、2ならば高齢者の運転に関してです。ところが今作はどうだ。ヘソクリでブチギレしてしまった夫に嫌気をさして妻が家出をしてしまうという何ともどうでも良い話であり、あんたら早く仲直りしてくれよと言いたくて仕方ない。夫婦喧嘩なんて些細なことで起きる。とよく言われますがこれが本作のキーとなる要素であれば何と脆弱なことか。。

やはり橋爪功の活躍を抑えめにしてしまったことが裏目にでたか。やはり1.2のキーパーソンは橋爪功演じる平田周造に他ならなく、彼がいてこその今シリーズでもありました。無論、それ以外のメンバーも豪華キャストであり十分力はあるのですが、この『家族はつらいよ』というシリーズは周造の頑固で素っ頓狂な性格に周りが走り回されるというのが醍醐味であるのです。それを抜きにして、ヘソクリのことから夫婦喧嘩して家出というのを扱われても、、という感じなのです。

まあ一応のところうな重の下りもあるから前作の良いところをやや踏襲してるのでしょうが、それにしても今作は平凡すぎました。毎週放送されてるサザエさんのある一話を映画化されても、、といったところでしょう。
ちなみに話は逸れますが、サザエさんが映画化しないのも自明の理でしょう。なぜならサザエさんというのは普通の家族の生活を描く作品だからです。映画になるとどうしても特殊な要素がいります。サザエさんに特殊な要素が入るとそれはもうサザエさんではないのです。
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