夏川結衣に星ひとつ追加。かつて『夜がまた来る』（石井隆監督）でナミを演じていた頃の、またTVドラマ『結婚できない男』の頃の美しさは忘れられない。
山田洋次監督もそれを意識してこの題名をつけたのだろうし、夫のセリフにも表れている。
最近、そういう敬意を表したのはテレビ東京『バイプレイヤーズ』だった。かつての恋人役を訪れる光石研の話だ。
年齢を重ねれば容貌は変わるが、かっての綺麗さには敬意を払うべきだという姿勢にも感激した。
定番の騒動は、安定の面白さ。
『男はつらいよ』でいう、タコ社長の位置づけである林家正蔵が、これまたそのまんまのことをストレートに言ったりして、パワーアップしているのが面白い。
優等生の妻夫木聡は、満男だし。
ただ、核家族の『クレヨンしんちゃん』の時代に「専業主婦」「主婦労働」の問題は古いのかというと、そうでもない。
これまでこのシリーズでは老いの問題が取り上げられてきたが、今度はシングルマザーのシビアな状況なども、山田監督には取り組んでほしい。
しかし、面白い（笑いを取れる）。そして泣ける（感動的）。
それは、楽なようで難しいのだ。
