マクガフィン

音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!のマクガフィンのレビュー・感想・評価

2.6
最近の邦画でトレンドな〈超絶演出〉+〈ギャグ満載〉。性別・性格・音量・バイタリティが対照的な2人の会話のテンポは、まずまずで、あまり停滞しない掛け合いは良かったが、中盤以降はグダグダでテンポ悪くなる。主演2人の変人と変態の設定は興味深かったのだが。

この手の映画は、前半は疾走感やパワーを感じるが、後半にエモや情念を挟んで失速するお決まりのパターンに。何度か見ごたえがあるシーンもあるが殆どが前半なのが残念。

臨場感や躍動感を得るための安易な手ぶれ映像。重要な場面でもないのに、動く被写体を中心にカメラが周回する、陳腐でナルシズム的な映像は如何なものか。カメラ・ワークの基本を分かっていない未熟なアマチュアのようにも。くどい演出に辟易する。

「やらない理由を見つけるな」を連呼するが、リフレイン効果はあまり感じない。まだ、メッセージの押し付けは良いが、このテイストで、後半の感動の押し付けは如何なものか。

プロットの理屈や整合性は外れるが、ストーリーの枠から外れない範囲でしか暴れずに、圧倒的に熱量が足りないのが問題。音楽がもたらすパワーを描けなかったことも同様で、作品の範疇から突き抜けるようなバイタリティやパワーが欲しかった。