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ハングマンズ・ノットのatsukiのレビュー・感想・評価

ハングマンズ・ノット(2017年製作の映画)
5.0
影山兄弟も、柴田さんも、ブロンソン的な”暴力でしか他人と関わることができない”人間なのだと思う。そうして「伝説を作ろうや」と暴れ回るヴィランと地道にボランティア活動をするヒーローの抗争へと昇華していく。エドガー・アラン・ポーのようなネクロフィリア的な女性への扱い方。葬式や誕生日パーティのような身勝手な律儀さ。閑話休題。ドレミ団体がヤバい。AC JAPANパロのふざけた紙芝居。津波に流されてる猫がめちゃくちゃ楽しそう。表向きは熱心な活動家だけど、裏ではやる気がなければ、想いのかけらもない。そういう偽善者臭い集会へと“ひとりよがりの暴力”が配信と法廷画の入れ子構造によって、あるいは辻凪子の視点を媒介して傍観できない距離までやって来る。言葉ならなんとでも言える。けれど、救急車とお前みたいなんがいっちゃんうっさいねん!ボケ!コラ!はっきり喋れや。鬱陶しいな。だから、気合い入れろ。まだ行けるやろ。額を合わせろ。そうすれば血が流れ出す。それが何なのか?と言われると明確には答えられないけど、恐らく我々に最も必要な”対話”だと思う。
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