サラリーマン岡崎

虹色デイズのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

虹色デイズ(2018年製作の映画)
4.2
高二の春から高三の春まで。
彼らの道のりはまだ途中…。

青春の日々の中で、
全て後悔せずに終われることは少ない。
いつのまにかチャンスを逃してしまい、
タラレバになることがたくさんある。
自分なんかそんなことばかり。

この映画の主人公4人は
ある程度いわゆる"勝ち組"の学生生活を過ごしてる。
そんな中でも、彼らは自分の弱さとか悩みにもがく。
"勝ち組"だからこそ、その部分が際立つ。

実際にそのもがきがスッキリと終わるのは、
4人のうちなっちゃんパートだけ。
他の3人が抱えるもがきはこの映画では完結しない。
だからこそ、彼らの今後がとても楽しみだ。
この文化祭の後、受験を経た後、卒業した後、どうなるんだろう。
"Oh no one can stay this moment
そう今日が叫ぶ声
僕は向こうへ"
主題歌の降谷建志もそう歌う。

そう思えるのは、4人を愛おしく思えるから。
彼らと2時間という1年を一緒に過ごして来て、
同じように笑い、同じように辛くなり、
そして、節々で、自分もあったな、
いや今でもあるやって、彼らに共感するから。
佐野玲於・中川大志・高杉真宙・横浜流星の4人がその仲の良さを体現してたのもそうだし、
それぞれの4人がふとした表情で登場人物たちの抱えてるものを体現することで、
言葉には出していない彼らの中身がより伝わってくる。

特に、横浜流星の終盤の表情は忘れられない。
台詞では決して演じる恵ちゃんの真意は語られないが、
彼が本当に心に抱いてた思いは別にあるんじゃないか?
そう思った時に、それでも友達を応援しようとした彼の優しさに泣けた。
特に彼は唯一特定の女性相手がいるわけでなく、
その点悩みはなさそうだし、
ヘラヘラしてるけど、
だからこそかなり内面では見せないかなりの葛藤があるのではと思ってしまう。
だから、特に恵ちゃんが辿る今後がとても見てみたい。

ツッコミどころや登場人物の行動が唐突すぎたり、いろいろあるけど、
それも若気のいたりということで笑。

これからも、彼らと一緒にその軌跡を歩んでみたい、
何回もこの映画を見直すことで、
自分の軌跡も辿れるかもしれない、
そんな、まだ人生の途中であることを
認識させられ、人生頑張らなきゃと単純に律させられる瑞々しい一本。

"もっと遠くへ
ずっと遠くへ行こう
春が終わり
ワンダーラスト"
春の先に彼らの旅はどう続くのだろう。