ずっと前から見たかったけどなんかタイミングが取れず、ちょうど旅行中の宿で見た。
いわゆる「9月30日事件」を機に起こった100万人規模と言われる虐殺を実行したローカルギャングに英雄的行為を再現する映画を撮るという体でどのように効率よく大量の人を殺したのかを実演させる。
出てくる人がみんなガラが悪くて映画スターにでもなったつもりでどのように殺したのかをノリノリで演じてて笑えるが、内容は全然笑えない。
ただの映画のダフ屋だった男が何かの拍子で軌道を逸した虐殺者となるのは何故なのか?
ハンナ・アーレントの指摘したアイヒマンとナチスの関係に通じるものがある。
殺される側を演じてるうちに殺された人の気持ちに入り込んで良心の呵責に責められて嘔吐する老虐殺者と精神科医に掛かり自らの記憶を上手く手懐けながら奪った富で悠々自適に家族とハイソな生活を営む老虐殺者の違いはどこから生まれるのだろう。
家族に対する「愛」が決め手なのかと思ったけどどうもそうでもないな。結構は想像力なのだろうか。
