アクト・オブ・キリング　オリジナル全長版のcoのネタバレレビュー・内容・結末

本当に観るべき。
過去に恐ろしい虐殺をし、今は平穏に生きる老人と、彼に当時の取材と称して過去を省みさせた制作陣。
その中で過去の殺害方法を殺害した本人自ら再現し当時の感覚が蘇ったのだろう、彼が死んだ人の気持ちがわかったと言ったとき、死んだ彼らはもっと恐ろしかった筈ですよなどと撮影者が言う。
しかし私には本当に彼が殺した相手の恐怖を体感したように思えたし、生きる術や善悪の基準すら全く別の動乱の時代を生き抜いた殺人者に対してこの平穏な時代に生きる映画制作者が罪を諭すようなことは「正しい」？
もちろん虐殺という行為、それをはたらいた人間を肯定はできないが、別の時代に生まれていれば皆立場が違っただろう。
罪のない人を殺した張本人、歴史を知って人間の心の闇を撮りに取材に来る他人。
いつの時代も人間は皆利己的である。