グリーンリボン(臓器移植)をテーマにした家族映画。
実家が歯医者で父の死や受験浪人への倦怠感、果たしてこのまま歯医者を継ぐことに疑問を抱き、引きこもる少年。
ある日、父が実は臓器提供をしていた事を知り、同居する未亡人で美しい母の工藤夕貴と亡き父の弟である叔父さんのオダギリジョーに詰め寄り、少年の心は開いていく…
真面目な生命のドラマになり過ぎず、かといってオダギリジョーの雰囲気に任せた叙情的な映像集だけにもなっていなくて、自分は好きなバランスだった。
走り過ぎず歩き過ぎず、すごくニュートラルな映画。
悪くいうと凄みや決め手に欠けている。
自分にはそのバランスがスッと入ってきて、最後までテンポ良く見れた。
脚本協力に『青い車』の漫画家よしもとよしともがいるのが大きい。
彼の音楽と社会風刺に根ざし、渇いてなよなよした作風がよく効いてる。
まあ、自分が大ファンだからそう深読みしてしまうだけかもしれないけれど苦笑
あとタイトルと裏腹に作中BGMがほぼ無くて、登場人物達のイヤホンからこぼれる曲や鼻歌止まりにしてるのが、抑揚が効いてて良いなと思った。
歯医者の治療室にドラムセットが布をかけて置いてあるバランス。
これに共感できれば心地良く緑風が五臓六腑に入ってくるであろう爽やかな映画でした。
あと尺が独特過ぎて上映場所が無くて困ってると脚本家の方が言っていたので、万が一このレビューを見ている業界関係者がいらっしゃいましたら力になってあげて下さいm(__)m