“人は悲しみが多いほど、人には優しくできるのだから”という歌詞があったけど、たくさんの悲しみを経験してきたからこそ、悲しみや寂しさから生まれた優しさは、いつか消えてなくなると気づいてしまう。だから、優しさの数だけ、切ない気持ちになるんです。
そして、そういった人間の“優しさ”は、“弱さ”と言い換えることもできるし、その弱さが“隙”となって妖を引きつけてしまうのだけれど、最終的には人間の弱さも、そこに引き込まれる妖も含めて、みんな愛おしく思えてくる。そういったところも、原作と変わらぬ魅力のひとつとなっていたので嬉しかった。