ぺん

天命の城のぺんのレビュー・感想・評価

天命の城(2017年製作の映画)
4.0
韓国人に最も嫌われていると聞く王様・仁祖と丙子の役について描く韓国映画。

強大な力を持つ清国に対し、和平か抗戦か意見を戦わせる朝鮮王朝。決断を迫られる王。飢えと寒さにより犠牲を強いられる兵士と民。
会話劇の戦争モノが好きなので個人的には楽しめた。
時折戦闘や人間ドラマも入り、飽きはこない。火縄銃を使った戦いは迫力ある。
対立する家臣役のイ・ビョンホン、キム・サンソク始め演技派揃いで子役も可愛い。

なのに本国ではヒットせず…原作は売れたそうなのに。韓国の人々には屈辱の歴史であることに加えて、絵面が鬱すぎた?
なら王様を臆病者の小悪党に仕立て上げた方がヒットしたのかもしれない。
しかし家臣の間で板挟みになり、民を思い、死を恐れ苦悩する今作の王様は人間味がある。
分かりやすいエンタメとして消化するより、負の歴史をそれぞれ見据えてほしいという制作側の意思が伝わってくるような。

監督は「あやしい彼女」「トガニ」のファン・ドンヒョク。よくこんなに毛色の違う作品を撮れるなと驚きました。
ぺん

ぺん