2018.11.20
すごい映画を撮ったもんだと感心する韓国映画界渾身の一作。
韓国映画で生涯に1本だけ見ろと言われたらコレ。エンタメじゃないから万人向けじゃないけど、作品の深さ、重さ、真剣さが違う。
李氏朝鮮王が清のホンタイジにする三跪九叩頭のシーンは韓国版の「玉音放送」みたいなもので、これを逃げずに正面から描いたのすごい。このシーンが撮れるのは、韓国映画界に携わる上から下までの人達が芸術をわかってるからだし、もし観客を楽しませるためだけのエンタメだったら絶対にこのシーンは撮れない。現場が撮っても、編集でカットされる。
今作には韓国映画でしか撮りえないような、独自の美学も技巧も魂もある。そして何より韓国人のモノの考え方や社会心理がすごくわかる。傑作。
この朝鮮王朝の家臣が右往左往して派閥争いに終始し、何も決まらずメンツや儀礼ばかりを優先し、最終的にすべてが後手に回り、追い詰められて玉砕する策に美徳を見出すみたいなところ、まさに日本人の思考回路と一緒じゃんって何度もなる笑
