ねぎおSTOPWAR

天命の城のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

天命の城(2017年製作の映画)
4.5
みい太郎さんに勧めていただいたこの映画、シッッブいなあーー‼️
朝鮮半島の歴史知ってないとちょっと辛いかもです。
おそらくは韓国の皆さんも楽しくは観ていないはず。とにかくハッピーではない史実をあらためて実写で再現しています。

「神弓」のレビューにも書いたんですが、今回出てくる王様は仁祖(インジョ)で、先先代の宣祖(ソンジョ)の子供。同じく子供の光海君(クァンヘグン)は「王になった男」でイ・ビョンホンが演じた王。クーデターで光海君を追いやって即位したのが仁祖。
光海君は豊臣秀吉の軍勢とも戦った人。
そして明と清(後金)の間で苦慮し清とは戦わない英断を下した方。
当時二度の秀吉の侵攻で疲弊していた中、光海君を追いやったことを好機と捉えた清の侵攻に屈した仁祖のお話です。
自業自得とも言えますが、世界は戦国の世。さらに朝鮮半島の立地は難しい。

****

この映画を観ている間、太平洋戦争末期の日本が、どうしても頭に浮かんでしまいました。「日本の一番長い日」ならぬ、「朝鮮の一番長い日」のよう。

体面ばかり気にする輩
屈することを恥とし死を選ぶ考え方
そこに民はおらず抽象的な"国"があるばかり

・・やるせなくて泣きそうでした。

その上で思ったのは、朝鮮はこの屈辱を耐え生き抜き、後に帝国日本の統治時代という屈辱を受け、朝鮮戦争からのアメリカの支配・・。
1987年にようやく民主化を勝ち取った国・・じゃない、民、国民に幸あれ。

****

映像は、いかにも骨太な、THE映画って感じのカッコ良さ。ロケ大変だったと思います。
役者はみんな素晴らしい‼️
かなり意図的に画を作ったイ・ビョンホンとキム・ユンソクの対立。吏曹判書(イジェパンソ)イ・ビョンホンさんと、礼曹判書(イェジェパンソ)キム・ユンソクさん。このセリフの応酬は見事でしたねー。王様仁祖はパク・ヘイルさんなんですが、この方「神弓」の主役。清に弓を引いた人。そんなつもりはないでしょうがかなりな皮肉!
あと鍛冶屋役のコ・スさんが良いんだなあ。

音楽は教授、坂本龍一さん。

<219>