Jun潤

マスカレード・ホテルのJun潤のレビュー・感想・評価

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)
3.9
2021.06.10

続編も公開されるということで予習として。
東野圭吾原作の同名小説を、「HERO」の鈴木雅之監督、「LIAR GAME」の岡田道尚脚本で映像化。

都内で起きた連続殺人事件、現場に残された暗号から次の犯行現場として予告されたのは一流ホテルのコルテシアン東京。
犯人確保と事件回避のために警察による潜入捜査が開始される。
ホテルに訪れるクセのあるお客様に加え、次々に明らかになる事件の事実に翻弄される刑事の新田。
新田は、自分の教育係のフロントクラーク・山岸とともにホテルを駆けずり回る。

テレビの方は散々ですが意外と映画は当たりが多いフジテレビ。
見る前から安心感はありました。

疑うことが仕事の刑事と信じることが仕事のホテルマン。
相対する職業の2人が、それぞれに持つ仕事への矜持から時に対立し時に協力し合いながら事件の謎を解こうとする様はなかなか見応えがありました。
最近はサスペンスの方が見る機会が多かったので、久しぶりにミステリーを見るとアイツが怪しいだのこうなんじゃないかと予想しながら見れて楽しかったです。

実力派の俳優陣が演じるクセのある客たちは、それぞれに事情を持っており、怪しく見えたり事件のヒントになったり。
個人的には背景に妙にいる、結局なんの関係もなかった男性に目がいっていたので彼らの様子は純粋に楽しめました。
また、クセのない単なるクレーマーを、序盤に濱田岳と笹野高史を使って見せてきたので、その後に出てくる客については一筋縄ではいかないんだろうなという謎の安心感がありました。

真犯人の正体は事前情報を全く入れなかったのでキャスティングからビックリものでしたが、キムタクや脚本から考えると嬉しいサプライズでした。

ラストの仮面の場面は続編への伏線張りなのか、山岸もまた仮面をつけているという暗喩なのか、想像が広がりますね。

脇を固める俳優陣の演技もなかなか印象的でしたが、今作イチの俳優の評価ポイントは最後の長澤まさみの笑顔ですかね。
それまでにも笑顔の場面はありましたが、それまでのビジネススマイルと違い、心からの笑顔!て感じが十二分に引き出されていたと思います。
Jun潤

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