たつなみ

マスカレード・ホテルのたつなみのレビュー・感想・評価

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)
2.5
全然観る気は無かったけど娘に『観たい!』と言われたので一緒に鑑賞。
感想は良くも悪くも『予想通り』な作品。
好きな方には申し訳ないが、これなら別にテレビでも十分だと思う。
スコアは私の大好きな長澤まさみで2点。
実質0.5点。

木村拓哉は『新田』という役名などどうでも良く、徹頭徹尾いつもの『キムタク』を演じている。
もはや可哀想な位にいつもの『キムタク』である。
脇を固めるキャストもフジテレビのドラマで本当によく見かける人たちばっかりで新鮮さは皆無と言っていい。
この鈴木雅之っていう監督知らなかったけど『HERO』とか『ニンニン(笑)』とか撮ってる人なんだ…。
筋金入りのフジテレビ専属の人ってことね…。

とにかくクドいくらいにセリフや描写で『マスカレード(仮面舞踏会)』というテーマを強調してくる。
こういうのは匂わす程度でいいんだよ。
ドラマじゃないんだから💢
これ見よがしなCGの使い方も気持ち悪いし…。
あと大仰な音楽で無理矢理盛り上げさせようとするの止めてください。

東野圭吾原作って事で捻りのある物語をちょっと期待してたけど、”いかにも“な人が犯人だし、しかもその人はこの監督の経歴からして”身内“の人なので大した驚きが無く終わる。
原作は人気推理小説であるはずなのに、謎解きのカタルシスとか観終わった後の余韻が全然感じられない。
とにかくこの豪華(?)キャストを売りにしたいという意図しか見えない。

最近の日本映画は人気コミックや人気小説原作ばかり。
私はそれ自体は悪いとは思わない(とても寂しいなぁとは思っているが…)。
問題は原作の人気に頼りっきりで、上っ面をなぞっているだけな作品ばかりであること。
原作の持つ魅力の本質を理解し、2時間という限られた時間の中で如何に過不足なく、且つ映画的な手法を駆使してそれを表現するか?が原作を映画化する監督の責任である。

原作未読の私が言うのはおこがましいが、この『マスカレード・ホテル』も、この原作にしか無い魅力が必ずあったはずだ。
特に、東野圭吾の様な”人間のダークな一面にスポットを当てる“という作家性は映画化の際に絶対に外せないポイントでは無いのか?
ハッキリ言ってこんな当たり障りの無い映画化では東野圭吾氏が気の毒である。

途中で話なんかどーでも良くなってきて、長澤まさみを愛でる作業に終始していた。
大スクリーンで彼女の魅力を堪能出来ただけでもお金を払った価値はあった(…と自分を納得させることにする)。