ガーコ

マスカレード・ホテルのガーコのレビュー・感想・評価

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)
4.5
顔は笑っているけど、心では怒っている。
そんな営業スマイルのうまい役者を、よくぞここまで揃えました(笑)
と、拍手したくなる映画でした。

木村拓哉さんのピキッってなった表情情。
長澤まさみさんの引きつった笑い顔。

腹の底では、怒りが煮え繰り返りそうになりながらも、お客様への対応は素晴らしい。

そんな営業の鏡のような演技を、よくもここまで完璧に演じられたものです!

特に木村さんの演技はすごかったです!

本当は刑事でありながらも、潜入捜査の為に、ホテルマンになりきるその演技力。

ボサボサの髪をキッチリと固め、ヒゲを剃り落とした姿は完璧なホテルマンでした。

木村さんの佇まいには、あっという間に虜になってしまいます(^^)

この映画は、木村さんのための映画だと言ってもおかしくないかもしれません(笑)



監督やキャストなどあまり意識せずに観に行ったのですが、後からあの『HERO』のドラマの監督だったことを知りました(笑)

どうりで、おなじみの顔ぶれがちらほらと見えるわけです。

見知った顔ばかりなので、木村さんもリラックスした状態で演じられたからこそ、あの演技が完成されたのかなと思ってしまいました…。



そんな、内輪事情を知りつつも、内容はとても素晴らしかった!

「ホテルにやってくるお客様は、みんな仮面を被っている」という言葉通り様々なお客様がホテルには次々にやってくるから大変!

普段の顔を見せずにやってくるお客様に対しても、ホテルマンは、その仮面の下の表情を剥がすことなく、お客様に満足いくサービスを提供するのがお仕事。

かなりの重労働さを感じつつも、その類稀なるサービス精神の高さは、日本人のおもてなしの心に通じるものがありました。

どんなに傲慢でワガママな要望にも、嫌な顔一つせず、笑顔で接し続けることは、相当な忍耐と精神力がいることでしょう。

彼らの気品ある態度に拍手すると共に、これからホテルを利用する際には、ホテルマンのサービスにも目がいきそうきそうです(笑)



どうせキムタクの人気が生んだ映画でしよ、と思わずに、素直な気持ちで見ることをお勧めしたくなる映画。

見終わった後、幸せな気持ちが観客たちを包み込んでくれることでしょう…(^^)
ガーコ

ガーコ