ユースケ

レプリカズのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

レプリカズ(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

本作で描かれるクローン人間の制作やそれに伴う死の軽視について倫理観を熱く語るのはやめた方がいいと思います。なぜなら本作は【シックス・デイ】にオマージュを捧げたオフビート・コメディだからです。【マイノリティ・リポート】にオマージュを捧げたキアヌ・リーヴスがホロスクリーンを操るシーンや【ロボコップ2】にオマージュを捧げたロボットの体が人間の心を転送されて見事に暴走するシーンに騙されてはいけません。ツッコミどころは制作サイドの罠だからです。

みどころは、マッドサイエンティストのキアヌ・リーヴスと相棒のトーマス・ミドルディッチのイチャつき。彼等の絡み全て必見なので箇条書きにしておきます。
①「クローニングに失敗した家族を廃棄する覚悟はあるのか?」と問い詰める相棒に「失敗しなければいいってだけだ!」と真顔で答えて変な空気するキアヌ
②家族の遺体の処理を相棒に押し付けるキアヌ
③家族のひとり切り捨てる地獄のくじ引きを相棒に押し付けるキアヌ
④ 「発電機は必須だ!」と発電機の必要性を語る相棒に「夜中の2時だぞ!店は開いてない!」とイライラし、「そんな事言われても、僕は何もかもわかるわけじゃないよ!」と返す相棒に「他に欲しいものは?」と言い残し、翌朝には近所中の車のからパクった大量のバッテリー繋ぎ合わせるキアヌ
⑤ 「俺は仕事だ!お前はポッドを見てろ!」とイライラし、「わかった。怒鳴るなって…」とションボリする相棒に「怒鳴ってない!…すまん。怒鳴ってたな。」と謝るキアヌ
⑥ 「息子は水疱瘡になったんで祖父母のところで預かってもらってる」と息子の担任の先生に話したと言う相棒に「(娘も息子も)二人共もう死んでるぞ。どう言い訳すればいい?」と答えるキアヌ

とりあえず、サスペンスフルな音楽をバックに、5日間で溜まりに溜まった娘と息子の未読メッセージの量に絶望しながらも、息子のオンラインゲーム友達や娘にちょっかいを出す男までしっかりと処理するキアヌと心を転送する方法は見つからないのに、家族のクローンをタンクから出さないと老化が進んでしまう説明を受けて顔芸をキメながらユニコーンのぬいぐるみを抱きしめて悩むキアヌを見て、彼が本作に出演した意図を感じられない方は【JM】あたりからやり直して下さい。

ただし、まともなみどころは、キアヌの妻のアリス・イヴがクローンである事をマッハで受け入れ、アグレッシブに行動する終盤の逃走劇くらいなので、鑑賞は自己責任でお願い致します。

最後に、ポッドが足りなくて復活させられなかった末娘を復活させ、悪人だった上司まで復活させるのであれば、相棒も復活させてやれよキアヌ。そこまで【シックス・デイ】にオマージュを捧げなくてもいいんじゃない。