『イコライザー』のマッコールで騎士道の伝道師となったデンゼル・ワシントン。
今作のローマン、紆余曲折や道に迷いながらも同じ魂を感じた。
スーパーヒーローだったマッコールと違い、ローマンは大分厄介な人物。
コミュ障感は『ナイトクローラー』に近い。
「人は自ら孤独となる」
そんな生きづらさを地で行くローマン。
見ていて辛い!
冒頭でも示されるようにかなり危ない橋も渡ってしまう。
変人だけど聖人、とはいかず。
主人公に甘くない。
『イコライザー』のように気持ち良くさせてくれない。
このあたりの迷走がいまいち名作として認知されてない理由か。
そこが良いんだけど。
コリン・ファレルの適役感。
一見良い人、実は冷酷な拝金主義者。
ほんとこういう役回り多くてファンとして辛い。
ぴったりなのがまた。
しかし、そこは『イコライザー』。
もしくは『デンジャラス・ラン』
魂は伝わる。
かつての理想、正義を思い出させる。
「正しいことをしろ」
良い意味で裏切られた。
ちょっと散漫なところやクセがある。
デンゼル便りが過ぎる。
ストレートな名作ではない。
しかし、良い意味での裏切りとラストの切れ味。
あいつの背中。
スピナーズの「アイルビーアラウンド」が滅茶苦茶カッコいい。
古臭い騎士道、正義、理想。
魂の残り火を消すことはできない。