若い監督さんやからあんまり言いたないけど40年来の年寄り映画ファンとして応援を込めて敢えて苦言を。
制作側の意図が役者にちゃんと伝わってないわ。映画観てて、途中までの主役のちょっとづつ壊れ始めてるとこなんかはそこそこ上手いこといってると思た。主役が最初からちょっと変なとこも含めて。キューブリックの「シャイニング」と比べたらちょっと大袈裟かもしへんけど、わしはそこそこ途中までは期待しとったわ。それがラストで、何これ？や。何なんこの話。はっきり言うて、何やりたいんか、さっぱりわからんようになってしもたわ。たまたま上映後に監督、脚本家、主要役者のトークショーあったさかい、この辺はっきりしたろと思て、残って話し聞いたった。
やっぱりな。何でかわかったわ。監督か脚本家か分からんけど制作側の意図が役者にちゃんと伝わってへんのが明白やったわ。はっきり言うて役者等のほうが監督、脚本家よりも一枚も二枚も上手や。「監督、いったい何やりたいんですか」というのが皆ちゃんとわからんままに、ある意味役者それぞれの技量だけで、何とか作品としてのクオリティを維持した感じやな。
監督がこの作品は「ハッピーエンドです」って言うた時は、役者全員引っくり返りそうになっとったぞ。監督の「役づくりについては、方向性が違わない限り、僕たちのほうでとやかく言うことはありませんでした」って、それはないやろ？現場で役者みんな困ってんがな。トークショーでそれがモロバレしとったわ。その辺りは役者皆も中々のもんで、監督をチクリチクリと攻撃してたけどな。
若いから言うて、監督は役者に遠慮したら絶対にあかんわ。撮影前には、監督と役者とでちゃんととことん話し合って下さい。それだけでやわ。ほんま頑張ってな！
