荊冠

バンパイアハンターDの荊冠のレビュー・感想・評価

バンパイアハンターD(2000年製作の映画)
5.0
シリーズ第3巻「D-妖殺行」をもとに作られたという1999年マッドハウス作品。アメリカで先行公開され、日本公開は2001年となる。
原作未読のためストーリーや設定の改変箇所などは分かりかねるが、映像美と言う点でも一見の価値ある良作。
原作の装画をすべて手掛ける天野喜孝の典雅な雰囲気を保持したまま、その静謐かつ呪術的なデザインが活発に動くことに耐えうるほどの、程よいリデザインが施されている(キャラデザは箕輪豊)。
必見はその背景美術。廃墟と化した街、ゴシック風の城塞、打ち捨てられたハイウェイ、巨大エイの住む砂漠、瓦解した近代技術の遺物などが登場するが、作品世界を決定づけている要素はこれら美術だといっても過言ではない壮絶な美しさ。ほとんどがティルトアップで映されるためその全容が一望できないのが無念。
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