ひろぽん

娼年のひろぽんのレビュー・感想・評価

娼年(2018年製作の映画)
3.2
名門大学に通う大学生の領は、日常や女性との関係に退屈し、無気力な日々を過ごしていた。ある日、バイト先のバーにやってきた年上女性の静香にいざなわれ、男娼として働き始める。様々な女性と関わっていく中で、無気力だった毎日から抜け出し、自分の可能性を見出して成長していく姿を描いた物語。


“女性なんてつまらない”と言い、生に無気力だった男が、性交により少しずつ生を実感していき、天職を見つけ成功していくお話。

女性の多様で複雑な欲望や変わった性癖が描かれる。

ボーイズクラブのコールボーイとして仕事をこなしていくリョウは裸が戦闘服であり、タダならぬ女性達を相手に戦闘態勢に入りどんな女性たちの望みも叶えるプロフェッショナル。自分の源氏名も本名の領からカタカナのリョウへと変更し、女性たちに買われていく。

ひたすら生々しいセックスシーンを繰り返していくが、どれも松坂桃李が獣のようにガサツで独りよがりなAVを観ているかのような感覚だった。

登場する女性は普通の女優さんだし、それを相手に必死に表現していく松坂桃李の熱い役者魂を感じた。そして、女優さんのおっぱいはみんな美しくて綺麗な人たちばかり。

全体的に暗めの描写が多くエロというよりも芸術的な作品なんだと思う。それと同時に、真面目な内容なのに松坂桃李が真面目に演技しているせいか、コメディを観ているような感覚になって笑ってしまう様なシーンがいくつかあった。

3週間という短い期間で撮影したらしいから本当に役者って凄いなと関心する。リョウというキャラの無気力さも、過酷な現場で睡眠が少ないやつれていく姿を上手く利用して撮影しているんだろうな。

絡む女優さん1人につき1日〜2日くらいしかないというのも驚き。

濡れ場のシーンが半分以上あるけど、下品に映らないのが良いのかもしれない。AV監督も協力しながらの撮影というのが観たらよく分かる。女性の欲望について描いているが、作品自体は完全に男性目線の作品だと思う。

人によってはつまらなくも、気分を害する作品であるのは間違いない。男の自分でも受けいれ難い部分が多々ある。ストーリーが面白いかと言われると微妙だけど、人間の繊細な部分を上手く描いていると思う。

鑑賞時は音量に注意⚠️
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