EmiriSuzuki

娼年のEmiriSuzukiのレビュー・感想・評価

娼年(2018年製作の映画)
3.8
終了後「めちゃくちゃ面白かった!」という感想しか出てこなかった。究極的なコミュニケーションのお話。人間ておもしろく滑稽で、皆、人と繋がるにはどうしたらいいのかと悩んでいる。その悩みの緒のような部分にそっと寄り添ってくれる人のためならお金なんていくらでも払う というような。
普段なら見ることのできない、誰もが隠しているような人間の生々しくもどこか笑えて愛らしい感情と生態を描くことにかけたら、いま三浦監督の右に出るものはいないのでは…と感嘆しました。生きることの根源的なエネルギーみたいなものを説教臭さとは真逆の手法で描きつづけている。

松坂桃李の存在感は、一輪のカラーの花のよう。華美過ぎず、凜として清潔感があるのに曲線に魅了される、という感じ。
女優陣のなかではいやはやどうにも圧倒的に江波さんがすごい。誰よりも脱いでないのに。
半野喜弘氏による劇伴も最高だったし、現在の東京の景色がたくさん収められているのも素敵だなあと思いました。小説での舞台は90年代後半だけども、そこから20年ほど経ち、日本の性やコミュニケーションはどう変わったのかなあなんてぼんやり考えた。
あとは余談ですが、桃李くんの裸に既視感がありなぜだっけと思ったら、4年前のananでした。あのananの時と比べてみれば一目瞭然、桃李くんは確実に大人になっていて、いやはや30代が楽しみな俳優さんですね。

これが、女性だけでなく男性にもたくさん観られる世の中になったら日本の性的成熟度も少しは上がるのやも。

あ、あとは個人的には今年37歳になるので設定上ちょっと嬉しくなったり哀しくなったりしました。

と。公開が近づいてきたので更新しました。