星ワタル

娼年の星ワタルのレビュー・感想・評価

娼年(2018年製作の映画)
4.5
「2人ですれば素晴らしいことを、あなたは1人でやってる。」

本当に驚いた。メジャーな俳優を起用し、ここまで妥協せず真正面からセックスを描いた作品が作られたのは画期的だと思う。

出演者は皆とことん攻めの姿勢で、身体だけでなく精神的にも全てをさらけ出していた。松坂桃李と真飛聖の2人がもつ上品さによって、いい意味で"おとぎ話感"が出ていたのも上手いキャスティングだと思う。

"死とセックスのシーンをどう描くかに、監督の個性や人間性がにじみ出る"という話を聞いたことがある。
その観点から言うと、今作は生々しさと映像美の絶妙なバランスのなかで、ただイヤらしいだけではない、キャラクターの感情まで伝わるシーンがたくさんあった。舞台からずっと「セックス」について描き続けている三浦大輔監督の集大成ともいえる作品になったと思う。


インタビューで「娼年」は女性の欲望を全肯定する物語です。と話していたのが印象的。
万人ウケはしないだろうけど、女性だけでなく人間すべての欲望を肯定するような、だからこそ"事件"になるような見逃せない一作。いろいろな意味で、見終わったあと誰かと語りたくなる。

あの空気感を味わえるのは劇場ならではの体験だと思った。

3月12日の完成披露試写会にて鑑賞。