wm

娼年のwmのレビュー・感想・評価

娼年(2018年製作の映画)
3.4
松坂桃李、身体張って渾身の演技。
流石だなあと思った。

女とセックスに興味を持たず見下していた彼が、人間の欲望の様々なかたちに触れて世界が広がり始める…というストーリー。
私は人の心の機微に疎いし、理解できないし、それが面倒だと感じることも多々あるので、セックスを通して魂に触れることもあるんだなと思った。

かなりどっぷり裏の世界に浸かってしまっている主人公、その中だからこそ見えるひとのこころ、触れられるもの、というものは必ずある。しかし(私が完全に世間を諦めて灰色の世界で生きたことがないからかもしれないが)、実際そのような闇や裏だけで生きていると、表の、いわゆる普通の幸せが欲しくなったりしないのかなぁと思った。めぐみちゃんのように。
ただ、闇の深淵に沈んでるひとたちは、私達の現実にいるかいないか存在すら曖昧で、想像もつかないものだからこそ美しく描くことができるんだろうな。
wm

wm