うるぐす

娼年のうるぐすのレビュー・感想・評価

娼年(2018年製作の映画)
4.8
まず大前提で、めちゃくちゃエロいわけですよ。R-18の中でも過激な方なんじゃないかね。もはや色んなジャンルのAVのオムニバスとさえ言えるんじゃないか。
もはやそれだけでも映画館に足を運べそうなんですけども、それを「今」と結びつけて、多様化した欲望こそがこの現代世界をカラフルにしているという事実がすごく見えてくるような。
多分、リョウ君(松坂桃李)みたいに、器になる事ができる人が、モテる人なんだろうな。という意味で全男子必見てますよ。まあ、男はエロに釣られるけども。


個人的に、めぐみとあのホストが本当にやってたとしたら、この映画での一番のエロさはそこだろうな、と思うし、そこを回想的な感じで見せなかった三浦大輔監督とはなんか話が合いそうな気がしてる笑。本当にエロいとこ、おれはあそこだと思うなー。欲望ではない感情から生じるSEXの方が、、、と思うので。

終始ずっとニヤニヤしてました。西岡徳馬のシーンには腹抱えて笑ったなあ。ニヤニヤしてたのはエロ親父のそれではなく、結局、着飾る事が大前提な現代でも、男女は裸になることを時に選択する。で、裸になるということは、第三者から見ればやはり滑稽なんですよ。お互いに欲望に委ねながら、2人で一つに重なることを、たまに「ロマンティック」だの「尊い」だの言う人はいるけど、やっぱり滑稽ですよ。だからこそみんな辞められないんだと思うし。
それでいい。人生エロエロといったみうらじゅんの勝ちでいい。

ちょうどこの映画を観る少し前に、Twitterのタイムラインでこんな言葉を目にしました。
『世の中には気持ち悪い性癖なんてない』『興味のない性癖は全て気持ち悪く見える』
この映画を観る前に、この言葉を飲み込んで行くと、また違うのかな、と思うので、一応。
受け入れていたいものです。
出来る限り。


すごい映画でした。
どうやって撮影してんだろ。あれ。すごい。そこにも興味がある。

にしても、2017年が菅田将暉の年なら、2018年は松坂桃李の年になりそうですね。孤狼の血も楽しみです。朝ドラも出て、今年は松坂桃李が全てを持って行きそうな予感。その松坂桃李を今後語る上で欠かすことのできない作品が、今作だと思います。
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