ゆき

娼年のゆきのレビュー・感想・評価

娼年(2018年製作の映画)
3.6
受け止める男と解き放つ女。人を買うということ。

無気力な大学生。彼が出会ったひとりの女性によって人生はガラッと変わる。彼は「娼夫」として生きるのだ。

原作ファンです。文字でみて頭の中に巡らせていたセリフが音になって身体に入ってくる感覚、少し恥ずかしいくらいだった。結果から言えば、個人的には大事にしてほしかった描写がほとんど削られていたり余計な加工(主に2回目の試験)にため息交じりの帰り道でした。友人も同意見。
無気力なリョウに魅かれ続け、変化も見守る女友達の結末があれだけでは切なすぎる。彼女なりのケリの付け方はきっちり描き切って欲しかった。

ただ、キャストの迫真の演技(むしろ本質なのか?!)には圧巻。よくぞここまで観せきりました感。そりゃあR18です。女性毎にSEXする環境はガラッと変わる。個々のチャーミングな部分と秘め続けた奥深い欲望を神秘的かつギャグかと思うくらい解放的に目の当たりにする。
少し男性目線のワンマンなプレイ…とはいえ松坂桃李の背中から目が離せなかった。「あーって言って」でおなじみのあのダメ男が頭によぎりつつ。笑

女性のお客さんがほとんどでしたが、男性にも観て欲しい。受け取り方が気になる一作。
ゆき

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