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娼年のkouのレビュー・感想・評価

娼年(2018年製作の映画)
3.0
《耳に残る音》
石田衣良の原作の映画化。あの三浦大輔が監督、そして松坂桃李が主演という事で見に行った。映画を見終わって、かなり性という部分に真剣に向き合った映画だったなと思った。それは三浦大輔という監督の妥協のなさがにじみ出ているようだった。綺麗な顔をした松坂桃李がここまでするのか、という衝撃があった。

物語はバーテンダーで女性に楽しみを見出せないリョウが、娼夫として働き始め、女性たちとかかわっていくという話。それぞれの女性にそれぞれの性があり、リョウはそれを受け止めていく。とてもエロく、それでいてポップでもあり、笑える部分も切なさを感じる部分もある。

特に映画を見ていて気付くのは、音だ。何かを触る音、服の擦れる音、そして口元や体から漏れるその音達は、淫靡で映像とともに焼き付けられる。肌の感触、そして痙攣する筋肉。それらを決して妥協せずに描いている作品だった。女優達もとても美しい。女性の目線から見るとどう映るのか、という面でもとても気になる作品でもある。
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