ずん

娼年のずんのレビュー・感想・評価

娼年(2018年製作の映画)
3.7
松坂桃李の官能映画。
松坂桃李のAVと聞いていたのでどんなもんだろと期待して観ましたがストーリーも予想以上に奥が深かった!

主人公リョウは高学歴大学生でありながら学校をサボり退屈な毎日を過ごし、夜はバーで働いていた。

ある晩のホストとして働く友達が連れてきた会員制ボーイズクラブのオーナー御堂静香との出会いで、娼夫として働き始める事になる…。

"女性は退屈だ"そう吐き捨てるリョウだったが、客と接していく中で女性それぞれが持つ欲望の個性や奥深さに気付き、リョウも興味を惹かれ次第に娼夫としてプロ意識を持ち始めるのだった。

劇中はほとんどセックスシーンなんだけれど、桃李くん凄過ぎるよ。ここまでリアルなエロ描写を違和感なく見せられる演技に脱帽です。

お客さんによって色んな人生があって、その人の立場に置かれた欲望というか、誰しも日常では満たされない孤独や欲求を持っていて、それを真っ直ぐさらけ出している。

それを真摯に受け止めるリョウの姿は正にプロ!

ある人は年齢を重ねても女でいたいし猛烈に求められたい、またある人は夫とのセックスレスに悩んで自信喪失している、またまたある人は〇〇を見てもらいたいフェチのある、なかなか周りに理解されない女性と色んな欲望を持った女性達は一見普通の女性なのが生々しい限りです。

またセックス出来なくなった余命僅かな夫の前で夫の思い出作りの為に乱暴風に抱いてくれという歳の離れた夫婦。この人達に至っては茶番だったなんて…人間てなんて愉快で面白いんだ。笑

他にも色んな女性が出てきます。笑

そんな歳の離れた女性を受け入れられるのはリョウの生い立ちにあると本人は自覚しているように言う。

私はリョウが女性に求められる事で、リョウ自身も亡き母から受けられなかった愛情を埋めているかのように感じました。

また男性は性的欲求に対して女性よりもオープンだけれど、女性もまた男性と同じように欲望を秘めている同じ人間なんだってことを提唱しているように思いました。

ラストに来る、オーナー御堂静香の衝撃の事実。
劇中のセックスシーンでもこれでもかと言うくらい避妊のシーンがあったので、病気に対する警鐘にも感じました。

ちょっと深読みし過ぎたかな?笑
何はともあれ松坂桃李ファンの方必見の作品です!
ずん

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